NO,2―火車

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

BOOK REVIEW二回目は宮部みゆきさんの「火車」です。
他のサイトなどで、「火車」を読まないで現代ミステリーは語れないなどと書いていたので、そこまで言うなら呼んでみようと思って、手にとりました。


内容(Amazonより引用)
休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。自らの意思で失踪、しかも徹底的に足取りを消して―なぜ彰子はそこまでして自分の存在を消さねばならなかったのか?いったい彼女は何者なのか?謎を解く鍵は、カード会社の犠牲ともいうべき自己破産者の凄惨な人生に隠されていた。山本周五郎賞に輝いたミステリー史に残る傑作。


すごく読みやすかったです。犯人に徐々に迫ってゆく様子が丁寧に書かれていて、登場人物の感情もすごくわかりやすかったです。
後半の犯人がだんだんわかっていくところは、にやにやしながら読みました。
終わり方もかっこよかったです。


カード破産という題材を、こんなにもハラハラドキドキさせながら読ませる宮部みゆきさんはすごいと思いました。


「クレッジトやローンのために破産に追い込まれるような人たちは、むしろ非常に生真面目で臆病で気の弱い人たちが多いんですよ。」 (「火車」本文、P106ページより引用)
私は、自己破産する人は金遣いが荒い人だと本間のように思っていましたが、どんな人でもなりうることだと感じました。
「私はね、講演などで、とにかく夜逃げの前に、死ぬ前に、人を殺すっ前に、破産という手続きがあることを思い出しなさい、と話すようにしています。」 (「火車」本文、P122より引用)
肝に銘じます。 


借金の怖さや自己破産のことについて勉強になり、またミステリーとしても非常に面白かったので、ぜひ読んでみてください。
(一回目も、二回目も、かなりつたない感想でしたが、書いてゆくうちに良くなっていくと思うので、長い目で見てやってください。)


最後に、蓮沼文三の言葉を。(誰が言ったかには、諸説あるみたいです。)
「心が変われば態度が変わる。態度が変われば習慣が変わる。
習慣が変われば人格が変わる。人格が変われば運命が変わる。」


(タイトルの言葉byローガン・スミス)